Veeam ソリューションのコンポーネント
Veeam® のソフトウェア・コンポーネントについて説明します。
バックアップ・サーバー
Veeam Backupサーバ(VBR)は、Veeam Backup and ReplicationがインストールされるWindows®ベースのサーバです。 VBR はバックアップ・インフラストラクチャーのコア・コンポーネントであり、システムの他のコンポーネントの構成および対話を調整して管理します。 このコンポーネントには、バックアップ・インフラストラクチャー、ハイパーバイザーへの接続、お客様のホストで実行されるエージェントが含まれます。 このインフラストラクチャーによって、従来は複数のシステムで実行しなければならなかった構成の多くがなくなり、単一画面で合理的にデプロイと管理を行えるようになっています。 VBR では、MS SQL 2016 データベースを使用してメタデータを保持します。
VBR には主に Veeam コンソール・アプリケーションを使用してアクセスします。認証対応の PowerShell アクセスと認証対応の API アクセスも使用できます。 VM バックアップ・ジョブに必要な Veeam コンポーネントの間のすべてのネットワーク・トラフィックを暗号化するために、VBR サーバーにはネットワーク・トラフィック・ルールが定義されています。
この設計では、Windows 2019 オペレーティング・システムを使用したオールインワンの IBM Cloud ベアメタル・サーバーで、VBR サーバーのコンポーネントをホストします。
Enterprise Manager
Enterprise Managerは、単一のWebコンソールから複数のVeeam Backup and Replicationインストールを管理するための管理およびレポート作成コンポーネントです。 この設計では Enterprise Manager はオプションのコンポーネントです。
Enterprise Manager は、Windows 2019 オペレーティングシステム上のアプリケーションとして実行されます。 Enterprise Managerは、オールインワンサーバーにインストールすることも、設計に基づいて別の適切なバックアップ場所にあるサーバーにインストールすることもできます。 Enterprise Managerを展開するときは、構成データベースが必要です。
バックアップ・プロキシー
Veeam プロキシーは、バックアップ・サーバーと、バックアップ・インフラストラクチャーの他のコンポーネント (ストレージ・リポジトリーなど) の間に存在するコンポーネントです。 VBR サーバーは個々のバックアップ・タスクを管理するものですが、プロキシーはそれらのジョブを処理してバックアップ・トラフィックを送信するものです。 Veeam プロキシーは、Veeam システムの高性能なデータ・ムーバーです。 Veeam プロキシーは、お客様の ESXi® ハイパーバイザーに接続し、ハイパーバイザーとさまざまな Veeam コンポーネントの間で、必要に応じてデータを転送します。 この転送先は、ローカル・ストレージ・リポジトリー (ローカル・バックアップ) にすることもリモート・プロキシー (バックアップ・コピー・ジョブまたは VM DR レプリケーション) にすることもできます。 お客様の仮想化されたデータはすべて、いずれかの時点で 1 つ以上のプロキシーによって送信されます。
最初のオールインワンの IBM Cloud ベアメタル・サーバーには Veeam プロキシーが 1 つ組み込まれており、基準サイズの VM 約 500 台のバックアップを処理できるサイズに設定されています。 このソリューションは、追加の IBM Cloud ベアメタル・プロキシーをデプロイすることでスケーリングできます。 追加のプロキシサーバーは、組み込みプロキシと同じ機能を提供するが、特に、オールインワンのサーバー構築で提供されるリソースを超える可能性のある、集中的なVMレプリケーションを実行するための追加の計算リソースとネットワーク転送リソースを提供する。
Veeam Backup and Replication構成データベース
VBR では、MS SQL 2016 データベースが使用されます。 デフォルトの設計では、Express バージョンが使用されます。標準的な Veeam インストール環境には、このバージョンが組み込まれています。 基準サイズの VM 約 500 台までは Express バージョンのサイズと性能で十分です。これを超える場合は、MS SQL 2016 Standard のフルインストールが必要になります。 自動処理機能では、サービスに含まれているローカルの MS SQL 2016 Express のみがサポートされます。
オールインワン型のベアメタル・サーバーでは、MS SQL 2016 サーバーのために専用の RAID 1 保護ディスク・アレイが 1 つ必要です。
オールインワンの展開における MS SQL 用のディスクとボリュームのレイアウトとボリュームおよびドライブのサイズを確認します:
- RAID 1 の 1 TB SATA ディスク x 2
- VBR データベース
- データベース・ドライブ 250 GB
- ログ・ドライブ 100 GB
- Enterprise Manager データベース (オプション)
- データベース・ドライブ 250 GB
- ログ・ドライブ 100 GB
- VBR データベース
VMware Cloud Foundation for Classic - Automatedでは、データベースのバックアップはあなたの責任です。 デフォルトでは、VBR のバックアップは、オールインワン・サーバーの RAID 6 アレイをバックアップ・リポジトリーとして使用するように構成されています。
Veeam Backup and Replicationコンソール
Veeam では、役割ベースのアクセス制御 (RBAC) に対応した Veeam コンソールを介してセルフサービスのインターフェースを利用できます。 このソリューションは、デフォルトで 1 人のローカル管理者とともにデプロイされ、VCF for Classic - Automated インスタンスのインフラストラクチャ Active Directory™ とデプロイ後に統合できます。 この設計によって、Active Directory で追加のユーザーを定義し、システム管理者、連絡先、データベース管理者などの役割をそのユーザーに割り当てることができます。 そして、それらのユーザーでリストアを開始するなどの操作を実行できます。ユーザーの操作範囲は、そのユーザーが担当するシステムまたはデータ・タイプに制限されます。
バックアップ・リポジトリーおよびスケールアウト・バックアップ・リポジトリー
バックアップ・リポジトリーは、Veeam がバックアップ・ファイル、VM のコピー、複製された VM に関するメタデータを保持する保管場所です。 この設計では、お客様のデータの正常なコピーを保管するために DAS (ローカル SATA ディスク) に依存しています。 データは、重複排除され、圧縮された形式でディスクに書き込まれます。
Veeam は、さまざまなスケーリング方式をサポートしているほか、スケールアウト・バックアップ・リポジトリー機能を通して (事実上) 無制限のスケーリングをサポートしています。 スケールアウト・バックアップ・リポジトリーとは論理的なエンティティーです。 複数のバックアップ・リポジトリー (エクステントと呼ばれます) をグループ化して、ストレージ・デバイスとシステムの容量を集約してプールを作成します。 この設計では、バックアップ・インフラストラクチャーでスケールアウト・バックアップ・リポジトリー機能を使用しています。デフォルトではスケールアウト・バックアップ・リポジトリーはお客様ごとに 1 つ作成されます。 オールインワンのMS SQL Expressデータベースを使用したスケールアウト・バックアップ・リポジトリでは、300TBを超えないことを推奨します。
スケールアウト・リポジトリに保存される顧客のバックアップ・データは、Veeam独自の暗号化で暗号化され、暗号化キーはパスワードで保護されます。
長期保管が必要な場合は、スケールアウト・リポジトリーを利用して、パフォーマンス層 (IBM Cloud ベアメタル・サーバー上のローカル DAS) のデータを、IBM Cloud Object Storage のバケットを使用したキャパシティー層にオフロードすることができます。 オフロード・トラフィックは暗号化され、内部的な IBM Cloud プライベート・ネットワークを使用して送信されます。 IBM Cloud Object Storage の各バケットは、お客様の設定に応じてお客様固有の鍵とパスワードで暗号化されます。 IBM Cloud Object Storage を注文したり、Veeam に IBM Cloud Object Storage を構成したりする作業は、自動処理に含まれていません。
注文と構成について詳しくは、 IBM Cloud の資料と Veeam の資料を参照してください。