基本的なロード・バランシングの構成
ユーザーが機密情報を必要としないアカウントに登録できる基本的なソーシャル・コミュニティー Web サイトを持つ企業について考えてみます。 その後、ユーザーはログインし、ペットの写真を投稿することができます。 この会社には、3 つの Web/ アプリケーション・サーバーと、それらをバックアップするための 1 つのデータベース・サーバーがあります。 ドメインと DNS は IBM Cloud でホストされています。小規模な環境であるため、NetScaler サーバーと Web/アプリケーション・サーバーはすべて同じ VLAN 内にあります。 この配置により、 NetScaler が基本的なロード・バランシング・ポリシーをセットアップするためにこれ以上の構成を行う必要がなくなるため、作業が単純化されます。
以下の手順は、この例でのトラフィック・フローをかなり簡略化して説明したものです。
- ユーザーがブラウザーに URL を入力します。
- URL の DNS レコードは、NetScaler 上のパブリック VIP の 1 つを指しています。
- NetScaler はその VIP 上のトラフィックを受信し、使用されているトラフィックのプロトコル (HTTP ポート80 トラフィック) を記録します。
- 次に、NetScaler は、定義済みのバランシング方式 (ラウンドロビン、パーシスタンス IP など) に基づいて、そのトラフィックをサーバー・プール内のサーバーの 1 つに渡します。
- そして、サーバーがトラフィックを受け取り、ユーザーが接続してログインします。
これを行うには、このトラフィックを処理するように NetScaler を構成する必要があります。 VIP、DNS サーバーの IP、および SNIP は既に構成されているため、構成が簡単になります。
サーバーの作成
NetScaler GUI の「構成」画面で、左側の 「トラフィック管理」 を展開します。 **「ロード・バランシング (Load Balancing)」**というタイトルのサブセクションを展開します。 次に、以下の手順に従って、ロード・バランシング・ポリシーに含めるターゲット・サーバーを NetScaler に指示します。
- 「Load Balancing (ロード・バランシング)」で**「サーバー (Servers)」**をクリックします。
- 追加 をクリックします。
- サーバーの名前 (例: Web1) を入力します。
- サーバーの IP アドレスを入力します。
- このシナリオではデフォルトのトラフィック・ドメインの使用のみに関心があるため、「トラフィック・ドメイン (Traffic Domain)」 フィールドはブランクのままにします。
- このサーバーについて必要なコメントを入力します。
- 「作成」 をクリックします。
プール内のすべてのサーバーについて、この手順を繰り返します。
簡単にサーバーを識別できるように、同じプールのサーバーには類似した命名規則を使用してください (例: Web1、Web2、Web3 など)。
サービスの作成
次に、サービスを作成します。 ここで入力したサーバーごとにサービスを作成します。 サービスとは、NetScaler とプール内のサーバーとの間の接続を構成するものです。 各サービスには名前があり、IP アドレス、ポート、および提供されるデータのタイプを指定します。
- **「トラフィック管理 (Traffic Management)」>「ロード・バランシング (Load Balancing)」>「サービス (Services)」**の順にクリックします。
- 追加 をクリックします。
- 同じ情報を使用して、前に作成したサーバーごとにサービスを作成します。
次に、仮想サーバーを作成します。 仮想サーバーは、以前に作成したロード・バランシングされたサーバーおよびサービスに使用される VIP 間の仮想接続です。
- **「トラフィック管理 (Traffic Management)」>「ロード・バランシング (Load Balancing)」>「仮想サーバー (Virtual Servers)」**の順にクリックします。
- 追加 をクリックします。
- 仮想サーバーに名前を付けます。
- バランシング対象のプロトコル (HTTP) を指定します。
- IP アドレス・タイプはデフォルト (IP アドレス) のままにします。 「IP アドレス (IP address)」フィールドには、すべてのユーザーのエントリー・ポイントとして使用する VIP を入力します。
- ポートを指定します。 デフォルトはポート 80 です。
- 「OK」 をクリックします。
サービスのバインド
ここで、作成したサービスを仮想サーバーにバインドします。
- 「仮想サーバー (Virtual Servers)」画面で、「ロード・バランシング仮想サーバーのサービス・バインディングなし (No Load Balancing Virtual Server Service Binding)」 リンクをクリックします。
- 先ほど作成した各サービスを仮想サーバーにバインドします。
- 「完了 (Done)」 をクリックします。
- **「最新表示 (Refresh)」**ボタンをクリックします。 「状態と有効な状態 (State and Effective State)」は緑色で表示されます。
これで、Web サイトのロード・バランシング・プールとポリシーを作成しました。
Citrix Netscaler VPX デバイスの構成について詳しくは、 Citrix 資料のページを参照してください。 さらに支援が必要な場合は、IBM Cloud のサポートおよび営業担当員にお問い合わせください。