トラフィック・ステアリングの最適化
ロード・バランサーによるトラフィックの転送をお客様が最適化できるように、ロード・バランシング機能にいくつかのトラフィック・ステアリング・モードが用意されています。
ロード・バランシング・ダッシュボードの**「ロード・バランサーの編集」**パネルからトラフィック・ステアリングを構成できます。 CIS API でトラフィック・ステアリングを構成することも可能です。 使用可能なステアリング・オプションには、標準フェイルオーバー (ステアリング無効)、動的ステアリング、および Geo Steering があります。
標準フェイルオーバー
標準フェイルオーバーでは、正常でないプールから構成内の次の正常なプールにトラフィックが送信されます。フェイルオーバーの優先順位 (フェイルオーバーの順序) はプールの順序によって決まります。
正常でないというマークがすべてのプールに付くと、ロード・バランサーはトラフィックをフォールバック・プールに送信します。 デフォルトのフォールバック・プールは、ロード・バランサー構成の最後に挙げられているプールです。
CIS API で特定のフォールバック・プールを指定する場合は、**「ロード・バランサーの更新」**コマンドを使用して、fallback_pool
パラメーターを設定します。 モニターに接続されていないロード・バランサーは、トラフィックをプライマリー・プールだけに送信します。
動的ステアリング
動的ステアリングではヘルス・チェック・データを使用して、CIS のリージョンまたは Point of Presence (PoP) の最速のプールを識別します。
動的ステアリングでは、最速のプールを判別するために、往復時間 (RTT) の指数加重移動平均 (EWMA) に基づいて RTT プロファイルを作成します。 リージョンやコロケーション・センターにプールの最新の RTT データがない場合、CIS はフェイルオーバーの順序に基づいてプールにトラフィックを送信します。
サーバー・プールで動的ステアリングを最初に有効にする時は、CIS が RTT プロファイルを作成するまで 10 分ほど待ってください。
クラウド・プロバイダーのエッジ・ロケーションで TCP を終了する場合は、待ち時間の計算値が TCP ヘルス・チェックの起点までの実際の待ち時間を反映していないことがあります。
以下の図では、CIS が 3 つのリージョン (北アメリカ東部、ヨーロッパ、オーストラリア) の中で最小の EWMA 値のプールにトラフィックを転送する様子を示しています。 この場合は、北アメリカ東部 (ENAM) のプールの RTT が最小なので、そのプールが選択されています。
Geo Steering
Geo Steering では、クライアントのリージョンまたは PoP に基づいてトラフィックがプールに送信されます。 PoP に基づく Geo Steering を実行できるのは、エンタープライズ・プランのドメインに限られます。 ロード・バランサーが地理的リージョンまたは PoP のトラフィックを送信する宛先のプールは、ユーザーが指定します。 同じリージョンに複数のプールを割り当てることが可能です。ロード・バランサーはそれらのプールをフェイルオーバーの順序で使用します。 リージョンやプールに構成がない場合、ロード・バランサーはデフォルトのフェイルオーバーの順序を使用します。
Cloudflare のパートナーには 13 の地理的リージョンがあります。 クライアントのリージョンは、クライアントの DNS 照会に対応する Cloudflare データ・センターのリージョンによって決まります。 それらのリージョンとリージョン・コードを以下の表にまとめます。
リージョン・コード | リージョン |
---|---|
WNAM | 北アメリカ西部 |
ENAM | 北アメリカ東部 |
WEU | 西ヨーロッパ |
EEU | 東ヨーロッパ |
NSAM | 南アメリカ北部 |
SSAM | 南アメリカ南部 |
OC | オセアニア |
ME | 中東 |
NAF | 北アフリカ |
SAF | 南アフリカ |
SAS | 南アジア |
SEAS | 東南アジア |
NEAS | 北東アジア |